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本のオフ会VOL5・『宿命の交わる城』(イタロ・カルヴィーノ 河出文庫)

2010.04.20(Tue)

『本のオフ会』 Comment(0)Trackback(0)
宿命の交わる城 (河出文庫)宿命の交わる城 (河出文庫)
(2004/01/07)
イタロ・カルヴィーノ

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■本のオフ会VOL5、やりました。今回から強力なメンバーK君も参加してくれて、六名での会でした。それにしても、『宿命の交わる城』、なかなか難敵でした。どうも、カルヴィーノの作品にしては、あまり面白くない、退屈に感じられるのです。この本は、「宿命の交わる城」と「宿命の交わる酒場」の二つの作品で構成されているのですが、後者「宿命の交わる酒場」のほうは、本来のカルヴィーノらしさというか、凄みを感じさせてくれる作品がいくつか並んでいるように思いました。しかし全体のタイトルにもなっている「城」のほうは、読んでいてどうも作品の世界に入りきれないというか、すぐに意識があらぬほうへ飛んでいきます。
というわけで、私的には、「宿命の交わる城」と「宿命の交わる酒場」の違いがとても気になりました。「酒場」は、なにより自由奔放な想像力が羽ばたいているように思えるのですが、「城」は、こぢんまり行儀良くまとまったような作品が多い、そんな気がするのです。

■カルヴィーノは、60年代後半から数年間に渡って、物語を紡ぎ出す装置としてのタロット・カードの魅力に取り憑かれ、カードを使った物語の生成にのめり込んでいきます。言うまでもなく、その成果がこの『宿命の交わる城』でした。そして、それは思いもよらぬストーリーの構築ということのみならず、複数のストーリーが緊密な関係を持ちつつ、カードの配列の中にきちんと収まるというような、パズル的な組み合わせによる統合のようなものを考えていたようです。(書きながらも、それがどういうものか、漠としたイメージしか持ててないのがつらいっす。)


■ただ、解説でカルヴィーノはこんな風に語っています。

「「宿命の交わる城」の場合には、それぞれの物語を構成するタロットが縦横の二方向に二重に配列され、他の物語を構成する三組のタロットの物語と(縦横の二方向に二重に)交差してゆく。こうして並べ終わった全体図を見れば、横に三つの物語と縦に三つの物語が読み取れるであろう。しかも、これらのカードの列は、それぞれが逆方向に別の物語としても読み取れるのだ。それゆえ、この図のなかには全部で十二の物語が埋め込まれたことになる。」

「ただし、「城」の場合にはそれぞれの物語を構成するカードが縦横の二方向に整然と並べられたのに反し、「酒場」の場合にはそれぞれの物語が非常に不規則なブロックを形成して、いわば全体図の中心に向かい、それらが折り重なってゆき、ほとんどすべての物語に共通して繰り返し使われる重要なカードが中央に集まってしまった。」

つまり、「城」の場合は、配列としては「整然と並べられた」のに対し、「酒場」の方は「不規則なブロックを形成」してしまった、というのです。読み物としては、「酒場」のほうが面白いにもかかわらず、カードの並びということでは、上手くいかなかった。カードの並びを意識し、それがうまくいった「城」の方は、読み物としてはあまり面白くなかった。どうも、「城」は、カードの並びに意識が縛られ、自由な想像力の飛翔が阻害されたのではないかと、そんな気がしてなりません。初めてカルヴィーノを読むのには、これはちょっと不適な気がします。やはり、「われらの祖先」シリーズ、『木のぼり男爵』『まっぷたつの子爵』『不在の騎士』あたりから入るのが吉かと。




■次回「本のオフ会」VOL6 サイバーパンクの傑作『ニュー・ロマンサー』です!

○『ニューロマンサー』(ウイリアム・ギブソン ハヤカワ文庫SF)
○5月8日(土) PM6:00~
○8日が予約等で都合が悪くなった場合、15日(土)

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)
(1986/07)
不明

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■次々回6月例会は、「とりあえず、行かんわけにはいかんやろ」(おっさん的しゃれですな)ということでいよいよ『1Q84』(村上春樹)!なにしろ、大長編ですので読み終わった頃には、最初の方を忘れてるのではないか、というのがとっても不安。日程等は次回に。

1Q84 BOOK 11Q84 BOOK 1
(2009/05/29)
村上 春樹

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1Q84 BOOK 21Q84 BOOK 2
(2009/05/29)
村上 春樹

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1Q84 BOOK 31Q84 BOOK 3
(2010/04/16)
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