スポンサーサイト

--.--.--(--)

『スポンサー広告』 Comment-Trackback-
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
クノーの本(『地下鉄のザジ』『文体練習』)を読む。

2009.12.01(Tue)

『海外文学』 Comment(0)Trackback(0)
地下鉄のザジ (中公文庫)地下鉄のザジ (中公文庫)
(1974/10)
レーモン・クノー

商品詳細を見る


■『地下鉄のザジ』・『文体練習』というクノーの本を立て続けに読む。どちらもクノーの言語実験とユーモアが合体した楽しい本だ。『地下鉄のザジ』の方は、ストーリーとしては、はちゃめちゃなドタバタ劇なのだが、周到に計算され尽くした構成となっている。とまあ、これは後書きにあるクノーとデュラスとの対話の中で、クノー自身が発言していることである。読む側としては、ストーリーが進むほどにド派手になっていく展開に、ただただ身を任せるだけで、楽しい読書タイムが得られる。もっとも、生田耕作さんの訳は、ちょっともう古いんじゃないだろうか。そろそろ、新訳が出てもいいと思うのは私だけか。
クノーというと思い出すのが、ウリポ(潜在文学工房)の活動だ。『文体練習』の訳者・朝比奈弘治さんによると、「ウリポ」とは、


●「その目指すところは、文学形式や数学理論の研究を通して、言語の潜在的な可能性を掘り起こし、ことばに何らかの形式的な操作をほどこすことによって、新たな文学生産の方程式を見出そうというもので、簡単にいってしまえば「ことば遊びによる文学的実験の試み」といことになるだろう。」


確かに、私などは「ウリポ」に対して、「ことば遊びによる文学的実験の試み」というくらいの認識しか持っていなかった。しかし、この解説にもあるように、当初から「数学理論」を視野に入れていたようで、そもそも「ウリポ」発起人のリョネーという人が数学者なのである。(数学者が発起人になっている文学サークルって、ちょっと異様ですよね。)『文体練習』においては、「集合論」や「確率論」や「幾何学」的な言い換えの試みにその片鱗が伺える。ともかく、クノーという人は、哲学や数学に造詣が深く『プレイヤード百科事典叢書』の責任編集をつとめるほどの百科全書的な博識の持ち主であったそうだ。そう言えば、デビュー作の『はまむぎ』からして、デカルトの『方法序説』を現代の話し言葉で書いたらどうなるかという、クノーらしい博学な実験精神と遊び心から生まれたものだった。
「ウリポ」にはデュシャンやカルヴィーノやペレックなど気になる面々が名を連ねていて、なんと、大江健三郎の師匠である渡辺一夫などもそのメンバーだった。なんとも興味の尽きない文学サークルではある。


■ともあれ、クノーの本は、背景に様々な実験性を秘めているとはいえ、普通に読んで楽しい。逆にいうと、「ウリポ」の師匠格であったにも拘わらず、本人自身の作品は、「ペレックほど徹底的な言語実験を行っていない」ということなのかもしれない。


文体練習文体練習
(1996/11)
レーモン クノー

商品詳細を見る





関連記事
トラックバックURL

http://gatemouth8.blog87.fc2.com/tb.php/38-25ba711f

トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
▼ プロフィール

gatemouth

Author:gatemouth
吹田の関大前で、「ゲートマウス」という小さなカフェを営業しています。
「ゲートマウス」は、「本が楽しめる、ミュージック・カフェ」、もしくは「音楽が楽しめる、ブックカフェ」といったイメージの店です。勿論、フードやドリンクも充実。是非お気軽にお立ち寄りください。日曜、祭日は休業。

吹田市千里山東1-11-16
TEL 06-6387-4690
MAIL gatemouth8@gmail.com

▼ 最新記事
▼ 最新コメント
▼ 最新トラックバック
▼ 月別アーカイブ
▼ カテゴリ
▼ FC2カウンター
▼ 検索フォーム
▼ RSSリンクの表示
▼ リンク
▼ ブロとも申請フォーム
▼ QRコード
QRコード

pagetop ↑

Copyright © 2017 gatemouth all rights reserved.
Powered By FC2 blog. Designed by yucaco.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。