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『継母礼賛』(バルガス・リョサ 西村栄一郎訳 福武書店)

2009.11.18(Wed)

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『継母礼賛』(バルガス・リョサ 福武書店)


■こんな時期に、また腰痛を起こしてしまった。そろそろ、年末の予約が入り始めた大事な大事なこの時期に。考えたら、去年も年末の貴重な時期にやってしまったのだった。
ここのところ、腰の状態は安定していて、ちょっと自信過剰だったのかもしれない。腰痛体操(簡単な腰のストレッチ)が、思いのほか効果的で図に乗ってしまったのだ。これで、先月に続いて連続での腰痛、爆弾はやはり黙っていなかった。くれぐれも気をつけよう。もっと腰に対して謙虚になること。


■リョサを読むのは、池澤夏樹編集による世界文学全集の一冊として初訳された『楽園への道』に次いで二冊目。それにしても『楽園への道』は面白かった。大げさなようだが、小説を読む楽しさの全てがそこにはあったように思う。登場人物の魅力、想像力を思い切り拡げたシチュエーションの設定、交互に別のストーリーが展開する複線的な展開。どれもが新鮮で刺激的だった。私にとっては、小説を読む際のひとつのスタンダードが再定義されたような気さえする。つまり、小説はまずもって面白くなくてはならないという、実に身も蓋もない当たり前の真実。文学であろうが、エンタメであろうが関係なく、それこそが大前提でありキモであるはず。マルケスと並ぶラテン・アメリカ文学の巨匠であるこの人は、こと小説の面白さということに関しては、熟達の閾に達した人ではないか。


■『継母礼賛』は、1988年の作品でリョサ版ポルノグラフィとも言うべき、華麗なエロスの世界を描いた作品だ。新しく迎えた妻、実の息子、そして夫にして父親である男の三角関係を描いた小説だが、リョサらしく様々な趣向が凝らされている。義母と関係のできた息子による、「好色な小悪魔」とも「無垢な天使」ともとれる告白によって家族が崩壊して行く、というのがメインのストーリー。このメインストリームと対応するように、リディア王カンダウレスの逸話が挿入される。さらには、物語の進行と共鳴するような絵画が挿入され、その背景が神話のように語られる。もう一つ、夫であり父親であるリゴベルトが、妻とのセックスの前に行う、彼独特の「儀式」めいた身体の手入れを、言語遊戯というかスカトロジーぽい入念な筆致で描いていく。この三つの流れが、小説全体を構成しているわけだ。
義母と息子の肉体関係による家庭崩壊の物語というと、安手のメロドラマだが、そこは巨匠リョサのこと、巧みな描写で読むものを惹きつける。


●「それから、妻の白い腹に貪るように耳を押しつけたとき、耳に入ってくる微かな液体の動きで頭がくらっとなるのを想像した。するともう、お腹の中で腸にたまったガスがたてるかわいらしい音。ぷっと鳴る楽しい屁の音、ごろごろ鳴ったり欠伸をしたりするヴァギナの音、気怠く伸びをする曲がりくねった腸の音が聞こえてきた。」


●「知的なことを一生懸命思い出し――――彼はピタゴラスの定理を大きな声で繰り返した――――彼は先端のかぶりを取り始めた愛の道具の勃起を途中で押さえた。そして冷たい水をかけて静め、萎んだそれをしわのある慎み深い皮の中に納めた。弾力的な筒は、今は静かに柔らかくなって、鐘の舌のように軽やかに揺れながら、下腹の一部のように下へ伸びていた。」


■エロチックな描写、スカトロジックな描写においても、その熟達の技をまざまざと見せつけられる思いがする。リョサの本は、代表作の『フリアとシナリオライター』『緑の家』『世界終末戦争』といったところが未読である。次は、『フリアとシナリオライター』が控えている。
『緑の家』や『世界終末戦争』は、古本でも高値を呼んでいる。なんとか手に入れたいと思う今日この頃。

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