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「文藝春秋10月号」を読んで考えたこと

2009.09.16(Wed)

『政治・社会・経済』 Comment(0)Trackback(1)
文藝春秋 2009年 10月号 [雑誌]文藝春秋 2009年 10月号 [雑誌]
(2009/09/10)
不明

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■アメリカでは、新政権が発足した後10ヶ月間、メディアは政権の揚げ足取り的批判は控えるという。いわゆるハネムーンというやつだ。あのアメリカでさえこうなのである。日本の場合、メディアの民主党政権に対する報道を見ていると、ハネムーンなんてまるでお構いなしに些細な瑕疵を見つけては針小棒大。言いたい放題に見える。この国で政権を維持するというのは、恐ろしく大変なことなんだと、今更ながら自民党の苦労が偲ばれたりする。(自民党さん、おつかれさん。いつまでも、安らかに眠っといてください。)
民主党の場合、そこへ持ってきて、従来のシステムや手法を根底から変えようとしている。そのことに対する、既得権者の抵抗たるや凄まじいものがあるだろう。
メディアの無責任なおもしろおかしい揚げ足取りは、とりあえずこれから本格的に始まる軋轢・齟齬のトレーニングくらいにとらえて、なにはともあれ、マニフェストを最大限実施することに全精力を傾注してもらいたいものである。


■そんな中、気持ちのいい論文が3本掲載された『文藝春秋10月号』に癒される。稲盛和夫さん、寺島実郎さん、榊原英資さん、三人の方々の論文である。三人とも民主党のブレーンとも目される方々だから、ある意味、民主党の議員よりも政策や理念に対する説得力があり、どの論文も腑に落ちる。もっとも、この『文藝春秋』にしたところで、冒頭「日本のいちばん長い日」と題する対談があって、福田和也、松原隆一郎、酒井順子という三氏が、選挙当日、開票速報を見ながらの他愛もない雑談を載せていて、今回の政権交代の意義をことさらに矮小化してみせることも忘れない。
それにしても、福田の麻生びいきは、マニアックを通り越して気持ち悪い。靖国神社に芸者衆を引き連れて参拝したら御霊も喜ぶ、などと麻生が言ったらしいが、それを引き合いに出して「思ったより面白い人」という評価を下す、福田のセンスこそずれまくり。


■今回の総選挙で民主党が掲げたマニフェストに対し、自民党はもとより、マスコミなどからも「庶民に迎合的でバラ捲き的色彩が強い」という批判が浴びせられた。また、明確な国家ビジョンや経済成長戦略に欠けるなどという批判もあった。
それに対して、稲盛和夫さんはこんな見解を述べている。


●「しかし私は、国を統治する上で一番大切なことは、『民を安らかにすること』であると思っている。国民が為政者に対して信頼を持つことができるような政治こそ、時代を超えて最も必要とされる政治のあり方なのではないか」


今回の総選挙の結果に対する全てがここに述べられているというと、言い過ぎだろうか。つまり、自民党は、『民を安らかにすること』に失敗し、国民の信頼を失ったのである。対して、民主党の戦略は、徹底して『民を安らかにすること』に拘った政策メニューを並べた。国民が選挙で問うたのは、まさにそこのところであり、その点でも、自民党の戦略は、ピントのずれた方向性しか示せなかった。
もう一つ、世界のエネルギー・資源・食糧問題の現状を考えた場合、これからも高い経済成長を続けていくことが、本当に可能なのかと指摘した上で、こう述べている。


●「既にこうした経済成長が限界に達しているとすれば、制約された経済状況の中で、いかに国民が幸せに生きていけるのかという視点に立って、世界的レベルで融和を図り、調和と共生を重んじ、品格のある国家を目指していくことが、これからの日本の目指すべき方向ではないか。」


■また、同じように榊原さんの記事でも、人口減少社会に突入した日本社会において、これまでのような3~4%の経済成長を望むのは難しいとした上で、有効な農業振興策こそが、日本経済を抜本的に再建させるカギだという。
稲盛さんにしても、榊原さんにしても、経済成長路線をドグマのように刷り込まれたこの国のエスタブリッシュメントたちにとっては、容認しがたい認識なのかもしれない。しかし、なにより、この間の日本の長期にわたる経済不振と国民生活の疲弊が、もはや、経済成長神話に対する幻想をも崩壊させてしまったのではないか。


■寺島さんの記事も痛快である。ニュースでは、麻生首相が鳩山代表に引き継ぎで、「くれぐれも日本の進路を誤らないように」、という助言をしたらしい。麻生と言えば、ブッシュやネオコンの「価値観外交」をそのままコピーしたような「自由と反映の弧」という、冷戦時代の思考を引きずった、時代錯誤の反共外交論を展開して、笑いをとったことは記憶に新しい。そんな、世界の趨勢が見えていない人物が、意欲的な外交を展開しようとする新たなリーダーに、外交に関するアドバイスを送るとは、最後まで脳天気なKYぶりを見せつけてくれた。
新政権にたいして、メディアがしょっちゅう浴びせる批判に、「安全保障・外交は大丈夫か」、という不安を煽るようなわざとらしい言い回しがある。
寺島さんは、これまでの日本の外交的スタンス(つまり自民党のスタンス)は、「『対米協調』という以外に外交の原則論というものがない」と言い切っている。とりあえず、「アメリカについていくしかない」として行き着いたのが、「『イラク戦争の失敗』と『サブプライムローン問題』という超大国アメリカの正当性を根底からくつがえす事態」だった。
この一点をとってみても、自民党という政党が、複雑化した世界情勢の中で、日本という国の舵取りなど任せられるような能力を持っていないことは明らかだ。
つまり、世界情勢の変化とは無関係に「対米追随」のみを、金科玉条のように大切にするという思考停止外交なのだ。まさに、知性も創造性も入り込む余地のないマンネリ外交で、これはもう、ベルリンの壁崩壊以前の世界認識と言わざるを得ない。逆に言うと、彼らが、保守のアイデンティティと思いこんでいるふしのあるこの分野こそ、その時代錯誤ぶりが際だってあらわれる分野なのではないか。
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民主 マニフェスト メイプルストーリー at 2009.09.16 13:07
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