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「ヒップホップの詩人たち」(都築響一 新潮社)

2013.06.17(Mon)

『日本文学』 Comment(0)Trackback(0)

ヒップホップの詩人たちヒップホップの詩人たち
(2013/01/31)
都築 響一

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■今、流行のJ-POPの中に、ほとんど見いだすことの出来ない、コトバの力や多様性、豊かな状況描写は、日本語ラップのアーティスト達の作品に、深々と息づいているようだ。
考えてみると、「ロックンロール」という容器に、饒舌で豊穣かつ過激なコトバをぶち込み、「ロック・ミュージック」を確立したのはボブ・ディランだった。彼の初期の名曲「サブタレニアン・ホームシック・ブルース」は、ヒップホップの先駆けではないかと思わせるような曲だ。ディランのような多彩なメッセージを音楽に盛り込みたいと願うミュージシャンにとって、ラップというスタイルは相性のいいツールだったに違いない。

■都築響一さんによるこの本は、ベテランから若手まで15人のラッパーへのインタビューと、彼らのリリック、そしてライブの写真、さらには、うち捨てられたように佇む地方都市の路地裏の風景写真などで構成されている。そのどれもが実に濃厚。が、中心となるのは、ラッパーたちがその生き様を驚くほど率直に語っているインタビューだろう。
もともと、メジャーなシーンから距離を置き、地方都市やアンダーグラウンドなシーンを主戦場にしているラッパーたちなので、その経歴や生き様は多種多様である。現在日本において、あまり可視化されることはないが、マージナルな領域において確実にサーバイブしている、そんなタイプの若者たち。

■犯罪やドラッグなどによって、少年院や刑務所に入れられ、そこで、自分と向き合いながら、ヒップホップへの情熱を点火していった者。いじめや不登校という、自己否定の極地からヒップホップによって、自尊と誇りをとり戻していった者。それぞれが、過去の自分を振り返り、新たに獲得した自己によって過去を再構成し、それをリリックに刻み込む。混じりけのない、純度100%のブルース。

◇「自分の辛い過去があるでしょ、それは書かないより書いたほうがいい。忘れようとしたって、ライブで歌えば思い出すし」(鬼)

◇「で、少年院で詩の発表会というのがあって、そこでかなり目の当たりにしたんですよね、言葉の力を。ほんとクズみたいな連中で、どいつもこいつも詩なんかもちろん書けないんですけど、すごい伝わってくるんです。その発表会って親も来るから、親の前で、自分の反省したこととか親に対する気持ちを詩にしてるやつとかいて。ぼろぼろ泣いちゃって、やばいんですね。くっそへたくそな言葉なんですけど…でも詩のうまさとか関係ないと思って。本気だということが伝わってくるんで。」
(ZONE THE DIRKNESS)

◇「ジェイルにいると、みんなわりと哲学的になるんですよ。俺の場合は、特定の宗教に入り込むことはなかったんですが、それよりも日本から送ってもらったゲーテの格言集と詩集、それにものすごく知恵と勇気をもらいましたね。」(B.I.G.JOE )

◇「その人の息子がいま登校拒否だけど、僕のライブを観て『勇気をもらいました、応援してます』って。僕、その言葉は一生忘れないんです」(チプルソ)

◇「ヒップホップはだれでも始められるでしょ。でも、だからこそ、逆にすぐ諦めてしまうんです、みんな。なにもいらないから、逆にすぐ諦めてしまう。意志がちゃんと強くなかったら無理。ギター弾きは、ギター弾けたら絶対ギターを弾くじゃないですか、ずっと。ラッパーはそうじゃないと思うんです。自分の意志が折れたら、多分もう歌わへんようになると思う。」(ANARCHY)

◇「日本はとにかく平和だし、大丈夫じゃないですか。だけどラップを始めるにあたって、最初にそこをすごく悩んだひとたちがたくさんいるんです。なにもないのに、なんでラップするんだってこと。だから、あえてなにか問題を探して、それをキャッチしてリリックにしていくっていうのは、俺はあんまり求めたくなかったんですよね。」
(TwiGy )







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