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四方田犬彦ブーム!『人間を守る読書』を読む。

2009.06.12(Fri)

『本を巡る本』 Comment(1)Trackback(0)
人間を守る読書 (文春新書)人間を守る読書 (文春新書)
(2007/09)
四方田 犬彦

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■最近、四方田犬彦さんの本にはまっている。きっかけは、『人間を守る読書』(文春新書)という書評集。これが、なかなか面白くて、次に、『先生とわたし』(新潮社)を読む。これは、久々の一気読みという感じで、私的には、今年読んだ本のベスト3には確実に入ると思う。と、ここまで書いて、ネットで四方田犬彦を検索してみると、ウィキペディァがあり読んでみると、かなりぼろくそに書かれている部分がある。とりわけ、今現在読書中の『ハイスクール1968』は、事実関係を巡って矢作俊彦さんと一悶着あったたらしい。しかし、『先生とわたし』もかなりスキャンダラスな内容を含んでいる、こちらもクレームが来ているのかも知れない。


■四方田さんというと、私は、今まで『モロッコ流謫』(新潮社)や『月島物語』などは、読んできたのだが、そんなに印象には残っていなかった。それが、ここへ来て一気のまとめ読みにまでのめり込んでいるのは、先にも触れたように『先生とわたし』があまりにも面白かったからだ。
四方田さんというと、映画史研究が本業の方なのだが、他にも漫画評論や、文学評論、さらには、旅や自伝的なエッセイなど幅広い著作活動でも知られている。そして、その著作数も既に百冊を超えているとのことで、大学教師という職業をこなしながらということを考えると、ある意味、驚異的なペースと言えるのではないか。


■さて、その私の四方田ブームのきっかけとなったのが、『人間を守る読書』というブックガイド本なのだが、ブックガイドとはいえ、この本には、ある意味、四方田犬彦という人物のエッセンスが、凝縮されているのではないかと思う。というのも、この本で取り上げられているのが、恐ろしく幅広いのである。専門の映画や漫画、文学はいうに及ばず写真集や音楽関連本、挙げ句の果てに料理本まで俎上に挙げられている。というわけで、もはや生身の四方田犬彦が、顔を覗かせているかのような感さえある。さらに、地域的にも多様で、とりわけアジアやパレスチナ関連の本が多いのも、この本の個性を物語っているように思う。それらの地域は、サイードが『オリエンタリズム』においてその言説の対象とした地域であり、本書で真っ先に取り上げられているのが、その『オリエンタリズム』である。四方田さんの研究者として、あるいは批評家としての基本的な立脚点が、サイードの生き方やその思想にあるということだろう。


■さて、取り上げられている本で、気になったのものを何冊か挙げてみると。
鈴木道彦さんの『越境の時 一九六〇年代と在日』(集英社新書)という本。鈴木道彦さんというと、プルーストの『失われた時を求めて』の完訳者である。その鈴木さんは、「一九五〇年代後半から六〇年代にかけて、何人かの(在日)朝鮮人が犯した事件に関わり、彼らの動機と陳述をわがこととして深く読み込み、その法廷闘争に深くかかわったのである。」という。これには驚かされた、あのプルーストの翻訳者が、こんな活動を行っていたとは。プルースト研究というと、あの高尚で長大な小説と格闘するわけだから、なんとなく、世間から離れ、研究室にこもって孤独に研究を続けるというイメージがあった。それが、社会の底辺で、差別や偏見を一身に背負いながら、犯罪に追い込まれたマイノリティの心情に寄り添うような活動を行っていたとは。これは、驚きであると同時に、ある種の感動を受けた。


■また、『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』(エミール・ハビービー/山本薫訳 作品社)は、この本で紹介されていて読みたくなり、気になっていたのだが、行きつけの古本屋天牛江坂店にあることが、ネットで判明し即買い。「イスラエルという国家が出来て、父親と驢馬を殺され、ただ一人生き残った少年が、気が狂いながらいかに生き延びていくかを描いた、パレスチナの夢野久作みたいな小説」と紹介されている。


■さらに、『楽園の鳥』・『ノスタルギガンテス』、ともに寮美千子さんの著作。この寮さんは、一度うちの店に来店されたことがある。確か、『楽園の鳥』が泉鏡花賞を受賞されて、そのお祝いということで、関西在住の知り合いの方々が集まられたのだと思う。そして『楽園の鳥』は、そのとき、作者である寮さんから贈呈されて、今もうちの店の書棚を飾っている。それにしても、寮さんの本を二冊もここで取り上げられているということは、四方田さんもかなりの寮さんファンなのだろう。
もう一冊、『岩佐なを 銅販画蔵書票集』、この本も以前、雑誌の編集をしていたときに、送っていただいた本で、店の棚に置いてある。このようなマイナーポエットの作品に、目配りが効いているのもこの本の特徴だろう。


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コメント
寮美千子受賞お祝いパーティではお世話になりました。あのあと本格的に奈良に引っ越し、関西の住人となりました。受賞後初の長編小説が、奈良で書いた『夢見る水の王国』(上下2巻、角川書店)。『楽園の鳥』作中作のファンタジーが実体化したものです。いまなら書店店頭に並んでいるので、ぜひお手にとってご覧ください。よろしくお願いいたします。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048739506/harmonia-22
松永 2009.06.16 10:49 編集
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吹田の関大前で、「ゲートマウス」という小さなカフェを営業しています。
「ゲートマウス」は、「本が楽しめる、ミュージック・カフェ」、もしくは「音楽が楽しめる、ブックカフェ」といったイメージの店です。勿論、フードやドリンクも充実。是非お気軽にお立ち寄りください。日曜、祭日は休業。

吹田市千里山東1-11-16
TEL 06-6387-4690
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