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『道楽三昧』(小沢昭一・岩波新書)

2009.09.29(Tue)

『日本文学』 Comment(0)Trackback(0)
道楽三昧―遊びつづけて八十年 (岩波新書)道楽三昧―遊びつづけて八十年 (岩波新書)
(2009/07)
小沢 昭一神崎 宣武

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 ●もう余録どうでもいいぜ法師蝉 変哲


■多芸・多趣味な小沢昭一さんの道楽半生記。1929年生まれとあるから、今年で80歳。子ども時代の遊びから、つい最近の趣味である「競馬」「読書」まで、多彩な「道楽三昧」の人生を民俗学者である神崎武宣さんが、聞き役となって語り尽くすという趣向。
小沢さんの道楽が凄いのは、その集中力と引き出しの数の多さである。有名な「日本の放浪芸」にしても、趣味や道楽の範疇を超えて、ほとんどプロの民俗学者の仕事といってもいいほどではないか。また、上に挙げた俳句や歌にしても、柳句会による公開句会や「中年御三家」によるコンサートなど、それでちゃんとお金も頂戴するのだから、少なくともセミプロといえそうだ。つまり、小沢さんの道楽には、それだけ時間とエネルギー(多分お金も)が、たっぷりと傾注されているということでもある。


■幼い頃の「虫とり」や「べーごま」「めんこ」「ビー玉」に始まり、「落語」「大道芸」「俳句」から「競馬」まで、恐るべき集中力と好奇心でのめり込んだ趣味の数々が、楽しい挿話とともに語れている。「虫とり」や「べーごま」「めんこ」「ビー玉」というと、なんとなく昭和の子どもの定番みたいで、のどかな感じはするものの、あまり新鮮味は感じられないのだが、小沢少年の場合、その打ち込み方が半端ではない、全身全霊を賭けてピュアーに打ち込む姿が、感動的ですらある。
そのような幼い頃からの性癖は、長じても変わらない。70歳を過ぎてからの道楽である「競馬」の話は、そのような小沢さんの姿勢が典型的に出ていて、笑えると同時に気の毒にもなってくる。なんとも、悲しい性ではある。


■競馬は、小沢さんと仲のいい友達から進められ始めたらしい。


●「いや、これが面白くて、面白くて『よーし、これだこれで老後は楽しもうじゃないか』ということになりました。」


●「私どもは土・日の仕事がけっこう多いのですが、競馬のために全部やめてしまいました。だから、僕の場合は、一週間のうち実働が四日になっちゃったんです。その四日も、仕事の合間には、週末の競馬の予想で頭ん中はいっぱい。」


●「とにかく競馬は、私の人生の最後につかんだ最高の面白さ、楽しみです。」


ということで、すっかりのめり込んでいた競馬だったのだが、2005年の夏できっぱりやめてしまう。というのも、あまりにものめり込みすぎて、心神耗弱状態になったというのである。たかが競馬でなんでそんな状態になるのか、不思議に思われるだろう。そこには、こんな理由があった。


●「最初にも申しましたように、競馬は土・日にあるので、金曜日は朝から情報収集を始めて翌日の夜明けまで一心不乱にやります。そしてちょっと寝て、場外馬券売り場に出かけていくんです。」


いくら好きとはいえ、これを毎週末やり続けるというのはきついだろう。しかも、70歳を過ぎた立派な老人である。不眠不休の週末を過ごすわけだから、心身ともに疲れ果てるわけだ。


●「当てずっぽうで残り五年の命を、心身ともにこんなに疲れさせていいものかと、ふっと思ったのが去年の夏なんです。」


趣味とはいえ、ここまで来ると命がけのような様相を呈してくる。幸い、小沢さんは、自己反省をして一命を取りとめたみたいだ。冗談ではなく、危機感を感じたのだろう。
ところが、ここまでのめり込むと、いざ、止めるとなると猛烈な禁断症状が出て夜も眠れなかったそうである。それで、眠るために寝床で本を読み始めたという。ところが、これがまた面白い。新たな趣味の発見である。小沢さんは、結構な蔵書家で今まで買いためた本が、二部屋を山のように占めているのだそうだ。ちょっとした古本屋のようではある。だから、読む本には困らない。


■こんな小沢さんの趣味・道楽だが、ご本人は、こんなふうに述べている。


●「なんべんも仕事に疲れて溺れかかっているのを、道楽で助けてもらって這いあがってきたというような、そんな感じがしています」



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